東京電力の株価はこれから徐々に回復していく
●不可抗力に対して東電が補償しなければならないのか
日下公人氏との共著で『東日本大震災 大局を読む!』(李白社刊)を緊急出版します。経済を中心に政治、原発、震災復興などを論じ、大震災後の我が国の行方を展望しました。5月9日には全国の大手書店に並びますので、ぜひご一読下さい。
目下、投資家の皆さんの関心が深いのが東京電力だと思います。大震災後、東電に降りかかってきたのが国有化と補償の問題です。国有化については、福島第一原子力発電所の事故が起こったため、菅直人首相は東電の国有化を主張し始めました。ところが、来日したフランスのサルコジ大統領と3月31日に会談した後に菅首相は方針を変え、「民間企業としての東電」と発言するようになりました。サルコジ大統領から東電国有化の基本路線が拒否されたからです。これで東電は民間企業として存続しますし、菅首相としてももはや東電の国有化に踏み切る気はありません。
もう1つの問題は原発事故で放射能が発散したことへの補償ですが、原子力災害で被害を受けた人への賠償は1961年に定められた「原賠法(原子力損害の賠償に関する法律)」と「原子力損害賠償補償契約に関する法律」に基づいています。
これらの法律では電力会社などの事業者が責任を負うのが基本となっており、原賠法では、事業者が民間保険会社と政府との間でそれぞれ保険契約を結んで賠償に備えることを義務付けています。ただしこの保険でまかなわれるのは1事業所あたり1200億円までで、それ以上の金額については事業者が責任を負うのが原則です。福島第一原発は6基の原子炉を保有しているものの1事業所という扱いなので、保険ではやはり1200億円までしか出ません。
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