問題は通貨ユーロであって世界の金融システムは揺るがない

EUの単一通貨ユーロを導入している国(ユーロ圏)は16カ国。今、投機筋はユーロ圏諸国の国債をどんどん空売りし値下がりしたらまた買い戻すということを繰り返しています。投機筋にとってそれが最も手っ取り早く儲けられる方法だからですが、そうなってしまったのもユーロ圏が大きな欠陥を抱えているからに他なりません。

ユーロ圏の欠陥というのは、ECB(欧州中央銀行)が通貨ユーロを管理している一方で、各国独自に財政の切り盛りをしているということです。つまり、ECBによる1つの金融政策とユーロ圏各国のそれぞれの財政政策の間でつねにきしみが生じてきました。そのきしみが鮮明な形で露わになったのがギリシャ危機だったとも言えます。投機筋の空売りと買い戻しもこの欠陥を突いて行われているのです。

1993年に欧州連合条約が発効してスタートしたEUが2002年に単一通貨ユーロの導入に漕ぎ着けたとき、財政安定成長協定を設けて「単年度の財政赤字をGDPの3%以内、累積の政府債務残高を60%以内にそれぞれ抑制しなければならない」という財政規律を定めたのでした。

ところが今、ユーロ圏ではドイツやフランスも含む16カ国すべてで「財政赤字はGDPの3%以内」とのリミットをオーバーしています。それでも厳格な罰則規定がないため、ECBは何の制裁措置も取れないのです。

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